百日咳菌による気道(気管・気管支)の急性伝染病で、感染症予防・
医療法(感染症法)で5類感染症(小児科定点把握)に分類されている。
患者の咳を浴びることによって感染(飛沫(ひまつ)感染)する。
伝染力が強く、免疫がなければほとんど100%発症する。
患者の過半数は3歳未満の乳幼児で、母親からの免疫を受け継がな
いので、新生児でもかかることがあり、死亡例は1歳未満に集中する。
(1) whooping cough (2)opportunistic infection
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正解
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(1) whooping cough(百日咳)
【参考】
(2)opportunistic infection = 日和見感染
通常の健康な人には無害な菌あるいは弱毒菌が、感染に対する宿主の抵抗力が
弱まったときにおこす感染症をいう。
治療の内容が高度化し複雑になってきた臨床的背景のもとに注目されてきた疾
患群で、抗生物質や免疫抑制剤の繁用、制癌剤や放射線療法の副作用に宿主側
の要因などが重なり合っておこる。
問題2.次の説明文は何を説明しているか?
麻疹(はしか)に似た発疹(ほっしん)ができる急性伝染病で、ドイツの医師
により初めて記載されたので「ドイツはしか」ともいい、また症状が軽くて2〜3日
で発疹が消えるところから「三日はしか」ともよばれる。
病原体はウイルスの一種で、飛沫感染するが伝染力は麻疹ほど強くない。
罹患すれば終生免疫が得られる。
妊娠初期の女性が罹患すると、先天性風疹症候群の子供を出産する危険性が
あるので、臨床上では小児よりもむしろ成人に問題点がある疾患といえる。
(1)プリオン(prion) (2)風疹(rubella )
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正解
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(2)風疹(rubella )
【参考】
(1)プリオン(prion)
感染性のタンパク粒子proteinaceous infectious particle。
ウイルスや細菌と同様に病原体の種類として提唱された名称がプリオンである。
スローウイルス感染症といわれる人間や動物の脳神経病の原因として注目されている。
ヒツジがかゆがり、体が震え、足がまひする病気のスクレイピー、ミンクの脳病、
牛海綿状脳症(BSE)、人間のクロイツフェルト・ヤコブ病などの原因になる。
アメリカのカリフォルニア大学教授プルジナーが命名、当初は遺伝子なしに増殖
できる謎のタンパク質と考えられた。
その後の研究で人間や動物が自分のもつ遺伝子で正常型プリオンをつくった後、
異常型にかわると病原性をもつとわかった。
プリオンはアルツハイマー病の患者の脳にたまる物質、アミロイドの一種でもあり、
一連の病気の解明につながると世界的な関心がもたれている。
なお、プルジナーはプリオンの研究により1997年のノーベル医学生理学賞をうけた。
問題3.次の説明文は何を説明しているか?
おもにコクサッキーA群のウイルスの感染によっておこる乳幼児の夏かぜの一種で、
咽頭粘膜に小水疱を生じ、のどが狭まるところから水疱性口峡炎ともよばれる。
5歳までの乳幼児が90%を占め、晩春から夏にかけて多発する。
ウイルスは咽頭分泌物や糞便中に存在し、飛沫感染あるいは経口感染する。
(1)ヘルパンギーナ (2)ヘルペス感染症
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正解
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(1)ヘルパンギーナ
【参考】
(2)ヘルペス感染症
単純疱疹(ほうしん)(ヘルペス)ウイルスによる感染症で、
多彩な臨床型を呈する。
単純ヘルペスウイルスには型と型があり、口唇疱疹など上半身の病変は
主として型、陰部疱疹など下半身の病変は主として型によることが多い。
このほか、熱性疱疹、疱疹性湿疹、疱疹性歯肉口内炎(アフタ性口内炎)、
疱疹性角膜炎、疱疹性陰門腟(ちつ)炎、疱疹性脳炎など、皮膚粘膜ば
かりでなく中枢神経系や内臓器官の病変もみられる全身感染症であり、
広義の単純性疱疹に相当する。